2024.03.16 14:29みじめな5番めの詐病泣きたくなることはありますか すべすべの手 が手に入らなくなった数年前から、本来の理想だったキューティクルが内側から剥げていたんだと思う。 なのに一段一段が夢を閉じ込めたレコードのように、全て狂おしく愛おしかった。それを悪いことだと思えなかった弱さが、まだ私を縛っていた。 もう泣きたくなることはない。いつもこれを繰り返してる。一年くらいの感覚で、わたしは完全...
2024.01.28 03:53ふえる日記たち1013幸福な一日だった、と思う。開け放たれたドアから西日が吹き、とおくのくまが遠吠えをきいているただそれだけ それだけのことだった。なにもかも普遍的で、ありきたりで、当たり障りのない、黄金色の、はちみつのなかでしんでゆくみじめないきものたちのパレード
2024.01.23 02:13HEAVENLY TWINS 紹介一次創作HEAVENLY TWINS(ヘヴンリーツインズ)まるで夢みたいだと思う。夢のような世界なのに、ここはひどくしずかだ。なにかおそろしいものたちが全員なかよくピッタリと、息をひそめているような清潔さがしていた。大人になると、どこかへ連れさられる国でくらす。週3で隕石がふる
2023.11.09 10:41やさしくなぐさめて「どうして君が泣いてるの」 君が先に裏切ったのに。 裏切ったなんて言葉使うんだと、場に似合わない新たな発見をしている。何が悲しかったのかもうよくわからず、わからないまま、途方に暮れて泣いている。 月が満月になります、とテレビが話している。窓は開け放ってあり、夜風がつめたくぬるい。繋がれた手は、しかしもうあまりにも心許無く、二人でいるのにありえないほど寂しいこ...
2023.10.24 10:51「じゃあどうすればよかったんだろうね」思い出が遠ざかるたび連続していた波の音が鼓膜を震わせる雪の結晶としてそれは夢の中にいた幻燈だったし夏の火に灼けた虫たちのさざめきのように終わらない唄は後悔をまぶして遠くにいきたかったって言う 犬の瞼が、ありがとうをいうたび誇張されてゆく。大きく収縮したそれは自尊心と共に肥大していって、まもなく見えなくなる。 歌とひなげしの関連性について、5歳がまくしたてる演...
2023.09.24 04:14クッキーが朽ちたらとりとめのないうた いつも景色ばかりが新しく過ぎる黄色い車の羅列の中に組み込まれている安心感まだ社会にいないことを錯覚できたこと 馬鹿みたいに降り注ぐ太陽は昨日を欠いた道標だったしそれは電柱が丸くたって変わらないことだった 流星がガタゴト鳴るたび無自覚さを思い知らされるクッキーの棘が辛辣でないのと同じように繰り返される愛のささやきはそれそのものが終わりのしる...
2023.09.02 06:299771にものを送って絵が届く送る際はTwitterIDかアドレスを書いてね9771からかわいい絵が届くよ^ っ ̫ <^⊃━♡.*・゚(作品はランダム。アナログorデジタル)※1個につき1個絵が届くよ枠が埋まったら非公開に戻します。
2023.07.05 14:32記憶 ただ感情にまっすぐで、好きなものがすきで、嫌いなものを嫌っていたら今の自分になった。 文章がかけない。現実が楽しいからなのか夢を見なくなったからなのか。明快で、それは夢をみれなくなったからだ。昨日は村か世界か何かを創造する夢を見たけど、現実で夢を見るのはなぜか難しい。 たとえば弟が羊になったり、犬を湖に沈めた話なんかは4年前、早いし、順当といえばそのような...
2023.06.05 07:14ミドルパレリオットあなたにとって青い海はただ 青いだけだとして丸みを帯びた電柱その様がわたしたちの行進を後押ししたとめどなく進むぎょう虫は碧い彦星の調べ遠ざかる風景がアルタイルの鍵盤を引きちぎって右足から溶けていった指が砂になるのと愛がきえるのは同じだったどちらも透けて月と翠のダンスを見送っていたなにも 発言することは許されなかった青の車が並ぶときだけ呼吸を許された...