日記
大丈夫、全て元に戻るだけです、何も悲しいことはないですよ、と言ったけどあれはほぼ自分に向けて言っていた
/千種創一
伝えてるのに自分と話してるみたいだった。人に言葉をかけるなんて、おこがましいと思う時もあった。だってたった一人の物差しで語るんだよ。正しさなんてないと思う。
人は誰かを罵倒する時や自分を守るために言葉を使う時、自分が一番言われたくないことを言うらしい。その言葉を使われたとき、この人のコンプレックスはここなんだなと思った。発する言葉の節々からその人となりは浮き出てくるもので、その善し悪しは問わずとも。言葉は自己を表す鏡だった。
同じように誰かの相談に乗るとき、かける言葉はわたしが望むものだった。伝えているのに気づけば言い聞かせている。なにも怖くないよといいながら、怖がってるのはわたしだった。嘘でも言葉は呪いだから、大丈夫といえば大丈夫になれた。どうにでもなってしまう。
好き勝手生きた結果誰かの灯台になってみたいって言葉好き。わたしは多分誰のこともちゃんとわかれないし、寄り添えないと思う。ほんとの意味で人をわかるのは難しい。それに軽率に踏みこむのは失礼と思った。誰しも複雑だし、絡み合ってるし、他人なんかが簡単にわかっていいものではないと思う。あなたが生きてきたように相手だって時間をかけて生きてきた。けどわかりたいという願いはそのままであってほしい。
本当の思いやりとか、優しさってなんだろう。わたしもう分からなくなってしまった。
みんな好きで、幸せだと嬉しい。よくわかんないけどそのまま生きてるだけで喜んでもらえることが多かったから、このままでいいのかなと思う。わたしはわたしの信じる道を行くけど、そのことで誰か明るくできるのなら嬉しいと思った。
一つまっすぐ光ってるのがあって、それを追いかけてるのがわたしだった。わたしにはなにもないけど、失うものもなかった。そういうものがないほど自分の人生に責任が生まれる。本当に守りたいものは心の外にあるものだ。
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