詩 おそろしや


あまりにも、ここは あかるく
あかるすぎて、あぁ わたしたちは
薬指の影さえ みつけることができない

ここはとおい水のなか
きれいにすきとおった呼吸ができるのは、どうしてですか

スフレの右目が、ね、愛らしいねぇ
どろりと 落ちた。

「らびこちゃん、わたしたち、どこまでもいこうねぇ」

銀河の果てまで、なんていわせないわ
あなたはこの淀んだ緑黒いろのかなしいみずうみの淵にしずみ、そうして二度と出しはしない。
ないても、そうよ 名を呼んだって、出してなんかあげないわ。

激しい破裂音、とつぜんの。
そうして、わたしは、わたしが、わからなくなり

「ねぇ、かわいそうでしょう わたし」

口がそろそろと歪んでゆくのは どうしてなの



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