ミドルパレリオット


あなたにとって青い海は
ただ 青いだけだとして

丸みを帯びた電柱
その様が
わたしたちの行進を後押しした

とめどなく進むぎょう虫は
碧い彦星の調べ
遠ざかる風景が
アルタイルの鍵盤を引きちぎって
右足から溶けていった

指が砂になるのと
愛がきえるのは同じだった
どちらも透けて
月と翠のダンスを見送っていた

なにも 発言することは
許されなかった
青の車が並ぶときだけ
呼吸を許された
桃のひなげし

泪 きれい 宙のなかで
弓を引いて見るのは
駆け出しの惑星の癌

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