おおばあちゃんの2回忌がきた

きっと わたしがしらないだけで
わたしがころした さかなや
虫や 花や 草木にも
何回目の 回忌がきていて

もしかしたら きのう
もしかしたら あした

何度目かの、何周目かの

命のめぐりを わたしは 
わすれて

「〇回忌」


若々しい色の豆を すりつぶして
なめらかな ペーストにすれば、
さわやかなライム・サワーとよく合うの。

いえーい

宇宙のはてまで、ひとっとびよ。

「しょくじ」


しゃぼんのにおい
おせんたくを してたのね
あまい イチゴのソースも かんじるわ
おやつはきっと、イチゴのスコーンね

「やった」

わたしも、ママのまねをして
ひらひらのかわいいエプロンを つけますの

あしたは 晴れてほしい
運動会だから

「リトル ママ」


ふうせんのような笑顔だね
おもった

まぁるい あかるい
健康的な ほお

ゆるりと手が、すいこまれると

まるで  ああ
しっとりとつめたい、漆器のようだわ

なんてうつくしいのだろう
おもえばほろり
なみだが喜ぶように、こぼれました

「7月」


わたしたちなんにも
とくべつなことなんて なかったのよ

ただ
月夜のほんのすこしの間だけ
髪が水飴のように 真珠色に
ひかるだけで

なんにも 
かわったことなんて あるわけないのよ

手を おろして

あなたは、わたしたちを、ころせないわ

「ひみつのよるに」






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