2019/11/16



いらない劣等感を感じては、必要以上に胸の奥をなぐった。
もうおわりにしたい、させてくださいというきもちは薄だいだいの景色にぼんやりととけて、すぐさま都合のよい明るさに包まれていった。

 月がうそみたいにきれい。途端、泣きそうになる。こんなとき、となりにいてくれたら言えたんだろうか。言ってもよかったのだろうか。
気がつけば、かなしい人間にもどっていた。
最後はかならず安心する場所にもどるようになっていた。また明日の鐘で こどもがばらばらとちってゆくように。

まぼろしに踊らされていることはかなしい
でもあまりにもここちがよかった。苦しんでいても、どうしようもなくわたしはここが好きだった。
変わらないのでしょう たぶんずっと
終わりがきても、なお
わたしたちは、かわらないんでしょう

がちゃんと自転車が鳴り、待ってしまっている背景に気づいて、わらった
バカバカしいほど、わたしは女だった。
とおりすぎる誰かもわからない大きな影に、一喜一憂した。声をかけてくれたら、ないてしまうだろうと
ひとりで、ひとりで

ばかみたい
つぶやいて、もういちどそう言って、あわくグラデーションのかかる夕焼けが、身体にひろがっていった。

期待して、させてあげられるようなわたしになれたらきっと
かわいく笑えたんだろうな。
金木犀なんて、もうどこにもなかった。



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