からだで おぼえろ


これでおしまいかぁ
という ほっとするような寂しさをかんじるようなことが一定の間隔でやってくる

おわってしまって、どうせこれも過去のことになる。
今ここにこうして文字をならべてることだって、あしたになってしまえば過去になる

過去になれば、いくらでもそんなもの、捏造できた。
そうしようと思わなくても、かってに過去のことなんて綺麗にしてしまったし、
なんなら、忘れてしまうこともあった。
忘れてしまう方が、らくなことが多かったからかもしれない。

 だからといって 今を生きるのを蔑ろにはしたくない。
たとえわたしと今を生きてくれた人が、今最高だった瞬間をいつか忘れてしまうとしても
蔑ろには したくないな。

いつか思い出になってしまうのは確かで
でも、そのできごと自体がなくなるわけではないのだ。
そのできごとは 今をすぎればさらりと過去になり、記憶のどこかにしまわれる。
記憶になりかわるだけで、
そのこと自体は、ちゃんと、あったのだ。
形を帯びて、そこにいたのだ。

だって、あのとき先輩と歩いた気まづい足も、小さいときけんかした右手と左手だって、変わらずにあったから。

 景色や場所なんて、あたりまえにかわってしまう
かわってしまうのを見るのは、とてもかなしい
だからからだで覚えてたらいいよ
ぜんぶ記憶になったけど、でもちゃんと起きたことなんだと、おぼえてたらいいよ。

かなしくないよ
いや、ちょっとかなしいけど
でもまぁ、きっとこれも 記憶になるよ。


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