日記 *
清算したから書く。恥ずかしいことも受けいれて乗りこえないと。
去ってゆく人を見送るとき、たまに最後のことを考えてしまう。ぼんやり、根拠もないけどこの日で終わりかもって思った。暗いかな、たしかなことがあればよかったんだけど、ないから。さよならってあんまりいわない、またねっていいたい。なんだか願かけるみたいだった。
父に会った。奇跡みたいな確率で、それでもまたねっていった。きっとその日なんてこないけど、かんたんに嘘みたいなことを言えた。嘘でもまた会えるって思ったら元気になれた。
たぶん出会いより別れの方が多かった。小さいとき、分からなかったから、わたしが大切って思った人皆どこかに消えてしまうと思っていた。母にいったら馬鹿だねって一蹴された。
今思うと大切な人が消えるというより、たぶん皆消えてたんだと思う。好きだからちゃんと見えてただけで、気にしなかったら気づくこともなかった。
このころのもやもやを持っていたのはわたしだけじゃなかった。みんな少しずつなにかが不安だった。別れようっていわれたとき、おわりが来てしまうのはかなしいからっていわれた。雪がひどくて顔がみえなかった。不器用な人で、やさしさだとわかったのは一年後だった。知らなかったから、かわいそうって思った。終わりがないと始まりだってないのに。わたしたち出会いもしなかったのに。このとき初めてさよならっていった。
これからもまたねっていうと思う。失くすのがこわいから好きにならないなんて悲しいし、それに、好きが多いのってきっといいことでしょ。別れが多いのはたくさん愛せた証だよ。
最後のことを考えてしまうのは治せないから、それなら今をたのしくいようって思った。もともと追う性格じゃないし、来る人も拒まないし去る人も止めないよ。自由がすきで、みんなも自由でいてほしい。自分を一番にしてね。さみしくなるからまた会えるなんてきかないで。大切だからなにも縛りたくないよ。
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