所感 *


 よしもとばななっていう作家の名前が絶対によしもとばにらになってる世界の夢をみた。最近変な夢しかみない。

 最近はあまり読まないけれど高校生のときは好んで読んでた。今思うと、他と比べて心理描写やそこから表現したいことがわかりやすかったんだと思う。

 休みたいときは小川洋子を読んで、気持ちに余裕があるときは江國香織を読んだ。本は好きな文体のものしか読めないかったから、色んな種類のものを見境なく読める友だちを羨ましく思って、かっこいいと思った。

 高校生のときは読んだ本の中から良いなと思った文章を拾っては書きとめたりしてた。人が生む芸術作品のひとつだと思う。歌詞なんかと同じで、思い出すだけで安心できた。

「家でこっそり犬を飼ってる男の子みたいって言われなかった?」と私は笑った。大の男がたった2枚のせんべいをカバンにこっそり忍ばせて家に帰ってきたのだ。

キッチン/吉本ばなな

 とっても好きで、たまに思い出す。わたしも小学生のころ家庭科のクラブで同じことをしたから、なつかしくて好きだった。この人と友だちになりたい。

ひとりの人間はあらゆる段階の心を、あらゆる良きものや汚いものの混沌を抱えて、自分ひとりでその重みを支えて生きてゆくのだ。まわりにいる好きな人達になるべく親切にしたいと願いながら、ひとりで。

キッチン/吉本ばなな

 読んだのは高校2年生のときで、瞬間、はっ真理だと思った。ちょうどこの頃こういうことを考えてたから。

 わたしがこの人の表現はわかりやすいと書いたのはこういう所からで、教科書に太字で印字された要点のようと思った。今はこういう表現はあまり好きじゃないけど、(曖昧さから読みとる方が居心地がよかった)このときは屈託なく真理だと思った。今思うと少しひねくれているような気もする。

 抱えこむことや耐え忍ぶことは美徳じゃないと思うけど、昔はそう思えなかった。本ひとつにしても考え方の移り変わりに気づけるのは面白いよね。だけどやっぱり人はひとりであるのに変わりはないから、ひとりでも凛と生きていける人になりたい。

 それと、昔はショックをうけてから立ち直るまでに1日くらいかかってたけど、最近は忘れるのもあって1時間くらいで大丈夫になった。落ちるとこまで落ちたらもういいやって開き直る(寝たら忘れる)。

 最後は「キッチン」じゃなくて「TUGUMI」という本。山本周五郎賞を受賞してて、英題は「Goodbye Tsugumi」。

つぐみの心の中には磨きぬかれた鏡があって、そこにうつるものしかつぐみは信じない。考えてみようともしない。そういうことなのだ。

TUGUMI/吉本ばなな

どう思う?わたしはこの文章すきだよ。

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