瞑想


 とても綺麗な人、の人さし指がおかしかった。澄んだブルーのマニキュアに真っ白の肌だった。こんないい方はおかしいけどなんだか異常だった。頭がぼやぼやしてくる。常に完璧だと思っていた、まるで絵のような存在だったことが確かに存在するものなんだと分かったとき、ほんとうに恐ろしくなる。わたし以外の人みんなにそれぞれ続きがあることのおそろしさ。出会っては別れるそんな簡単な仕組みがどうしてわからなかったのだろう。どうしてなつかしい匂いはすべてをおかしくするんだろう。亀がいた。ちいさな目は確かに名を呼んだようだった。ちゃんと抱きしめてあげるよ。逃げていいから迷わないでね。

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